通常のビタミンC誘導体はお肌に浸透してから効果を発生させるために、皮膚内に存在する酵素に反応してはじめて還元力を発揮する仕組みを持っています。
そのため、効果を発揮するために、お肌に酵素が一定量存在している条件がまず必要で、その上でビタミンC誘導体がお肌のバリア機能を突破し、更にはようやく突破したビタミンC誘導体が酵素にピンポイントで出会ってはじめて美白効果を生む期待が持てるのです。かなり厳しい突破条件ですよね。
その点、3-Oエチルアスコルビン酸は、その効力を発揮するのにお肌の酵素に出会う必要がなく、ダイレクトに効果を発揮する期待が持てるのです。
この点がほかのビタミンC誘導体とはまったく違うため、一線を画した扱いを受けています。
では、実際に3-Oエチルアスコルビン酸にはどのような美白効果が期待できるのか?
シミのできるメカニズムとあわせて解説するしていきます。
お肌は紫外線による刺激を受けると、お肌の深層、細胞を生み出す機能が存在する基底層のうちのメラノサイトで紫外線をガードするための、シミの要因、黒色メラニン作りが始まります。
しかし、いきなり黒色メラニンが出来上がるわけではなく、段階があります。
黒色メラニンの元は、アミノ酸のチロシンです。
まずこのチロシンが、ドーパ、ドーパキノンへと2段階変化します。
この変化を起こすのが有名なチロシナーゼと呼ばれる成分です。
チロシナーゼによって変化したドーパキノンは、もともと高い化学反応性があるために、自動的に酸化して変化していきます。
いくつかの変化の段階を経ていたる最終形態がユウメラニン(黒化メラニン)です。
また、そのすべての生理機能が明らかになっていないものの、少なくとも黒化メラニンへの変化の過程を助けると認められた成分がチロシナーゼ以外にさらに2つあります。
ドーパキノンから黒化メラニンへの変化を担うTRP-2という成分。
チロシナーゼを活性する機能があるTRP-1という成分。
です。これがメラニン生成の主なメカニズムです。
だ、そうw
かなり難しいですが、シミを生成するのには段階があり、その段階をすすめるのに重要な成分が
チロシナーゼ
TRPー1
TRP-2
であり、シミを対策するにはこの3つの成分の活性を抑制することが重要という訳です。
では、3-Oエチルアスコルビン酸はこの3つの成分にどう影響するかというと、、、
以下尊敬する超優良サイト化粧品オンライン参照させていただきます。
まずは、チロシナーゼについて、、、
2013年に台湾のコルム(Corum)によって公開された3-O-エチルアスコルビン酸のチロシナーゼ活性阻害検証によると、チロシンおよびドーパを基質としてマッシュルームチロシナーゼを添加し、3-O-エチルアスコルビン酸をはじめとする各試料と混合し、チロシナーゼ活性率を測定した結果以下の表のような数値を示した。
試料 | チロシナーゼ活性阻害率(%) |
---|
チロシン → ドーパ | ドーパ → ドーパキノン |
---|
アスコルビン酸 | 99.8 | 99.1 |
3-O-エチルアスコルビン酸 | 37.6 | 54.8 |
アスコルビルグルコシド | 2.1 | 22.3 |
リン酸アスコルビルMg | 9.7 | 31.9 |
α-アルブチン | 93.8 | -16.9 |
3-Oエチルアスコルビン酸は他のビタミンC誘導体に比べて、チロシンの2段階変化を阻害した比率において高い数値を示しています。ちなみにアスコルビン酸はビタミンCそのもの、その効果をおさえて浸透性を上げたのが、ビタミンC誘導体なので恐ろしく高いのは当たり前です。
次に、TRP-2とTRP-1に対しての資料
同じく化粧品オンラインから引用させていただきます。
次に、同じく2013年に台湾のコルム(Corum)によって公開された3-O-エチルアスコルビン酸のチロシナーゼおよびTRP-2活性阻害検証によると、
3-O-エチルアスコルビン酸は、マッシュルームチロシナーゼを約50%まで阻害することを確認したので、その作用ポイントを確認するために、α-MSHによって刺激したB16マウスメラノーマ細胞を用いてウエスタンブロッティング(特定のタンパク質を検出する方法)を実施した。
細胞をα-MSHによって刺激した場合、チロシナーゼおよびTRP-2のタンパク質発現は有意に増加したが、一方で3-O-エチルアスコルビン酸を添加すると、以下の表のように、
3-O-エチルアスコルビン酸濃度(%) | チロシナーゼ阻害率(%) | TRP-2阻害率(%) |
---|
0.0 | 0.0 | 0.0 |
0.25 | 18.7 | -3.7 |
0.5 | 25.9 | 57.3 |
1.0 | 47.5 | 72.6 |
3-O-エチルアスコルビン酸は、濃度依存的にチロシナーゼおよびTRP-2の発現を阻害できることが示された。
TRP-1においても同様の試験を実施したが、TRP-1は3-O-エチルアスコルビン酸の添加で有意な変化を示さなかった。
このような検証結果が明らかにされており(文献3:2013)、3-O-エチルアスコルビン酸にチロシナーゼおよび0.5%濃度以上でTRP-2活性阻害による色素沈着抑制作用が認められています。