楽しい登山♪でも、山での強力な紫外線による日焼けダメージはさけたいですよね。
そこで便利な登山用の日焼け止め!
では、山登りの日焼け止めに必要な機能と条件は何かというと
落ちづらいオイルタイプ
劣化しづらい紫外線散乱剤配合
標高に合ったSPAとPA
だと考えます。
その根拠を解説した上で、登山のニーズにこたえる特化型の特別な日焼け止めの条件もあわせてご紹介いたします。
あなたは登山にどんな日焼け止めを求めているのでしょうか?
山登り用日焼け止めの選び方の基本を解説後、タイプ別で選ぶ!
おすすめ5選をご紹介致します。
登山におすすめの日焼け止めとは
そもそも登山は、日常に比べて紫外線ダメージをうけ、日焼けしやすい条件がそろっています。たとえば、
・標高が高まるほど紫外線量は多くなる、山は紫外線の宝庫!
・高山ほど木などの遮蔽物が少なくなり、紫外線を避けることが難しい
・登山は長時間に及ぶ、浴びてしまう紫外線量が多い
だから、日常より高い紫外線対策が必要です。
でも、ただでさえ息苦しい山登り、腕や足はともかく、顔の紫外線対策はつらい、、、、
あつーい夏はなおさらですよね?そこで便利なのが、日焼け止め!
では、どんな日焼け止めが山登りにむいてるの?
登山での日焼け止め選びは、特別な条件下での選択になることを意識して選ぶ必要があります。
・流れる汗と皮脂で日焼け止めが落ちやすいこと
・登山中では、こまめな塗り直しがきかず、日焼け止めが劣化しやすいこと
・日常より強力な山の紫外線。立ち向かうには通常より高い紫外線防止機能が必要なこと
これらをふまえると山登り用の日焼け止めは、
簡単に落ちず
劣化しにくい
高いSPF,PAの日焼け止め
が望ましいといえます。
このページでは、まず、
山登り用にふさわしい日焼け止めの基本
→標高にあわせてSPF、PAを選ぶ
→落ちづらいオイルタイプを選ぶ
→紫外線散乱剤配合を選ぶ
を解説します。
その上で、
・絶対焼けたくない、肌ダメージをしっかり抑えたいなら!
→SPF50+,PA++++
→紫外線吸収剤+紫外線散乱剤配合
→UVA、UVB、両方に対処できるバランスの良いブレンド
→塗りなおししやすいものを選ぶ
・2度塗りする気は無いなら!
→汗で落ちづらいオイルタイプ
→皮脂に強い化粧落ち防止成分配合
→劣化しづらい散乱剤ベースかつSPA50+、PA++++
・自然に優しいエコな日焼け止めを選びたいなら!
→紫外線吸収剤不使用にこだわって身にまとうものでカバー
といった特化型の登山用日焼け止めについて解説いたします!
紫外線が強い登山では標高に合わせてSPF値を選ぶ
太陽光に潜む紫外線は、オゾン層と空気中の酸素によって吸収されるため、その多くは地上に降り注ぐことなく失われます。
逆に言えば、標高が高いほど、紫外線は多いということになります。
環境省によると、標高が1,000m上がるごとに、紫外線の量は通常の10〜12%ほど上昇するそうです。
このため、高山に行く時ほど、高い紫外線防止性能が必要となってきます。
日焼け止めの性能は、SPFとPAで表され、
SPFは1~50+であらわされ、高いほどUVA(お肌内部に到達しダメージを与える)への防止能力が高い
PAは+~++++であらわされ、+が多いほどUVB(お肌表面に日焼けや炎症を引き起こす)への防止能力が高い。
※ちなみに、SPFの50+の+の意味は50以上の性能があるという意味です。
強力な紫外線が予想される高山では、『SPF値』『PA値』の高い日焼け止めを用意しましょう。ただし、『SPF値』『PA値』が高いということは、テクスチャーがわるかったり、刺激となるリスクも多少はあがる心配があるために、高ければ高いほど良い!というわけでは有りません。
ですから、状況に合わせた選択が望ましいです。
標高1000mクラスの山ならば
SPF30
PA++
もあれば充分です。
関東近郊で言うと、高尾山(599m)、筑波山(877m)あたりを目指す場合ですね。
標高2,000mを超えるような高山に出かけるときは
SPF50+
PA++++
の最高ランクの日焼け止めがあると安心です。
日焼け止めのSPF値を選ぶ時にもうひとつ、注意点があります。
登山レベルの高い低いで必要なSPF値を判断しないことです。
例えば、尾瀬。
初心者でも気軽に散策に出かけられる場所ですが、標高が1,600m前後もあります。
登山レベルが低くても標高が高く、より高い紫外線対策が必要なこともあることを覚えておきましょう。
とにかく紫外線に強いおススメの高山対応の登山向け日焼け止めはこれ!
ノンケミカルかつ低刺激で気軽に使える!低標高の登山向き日焼け止め!SPF30 PA+++
汗や雨など落ちしやすい条件の多い登山では、オイルタイプの日焼け止めがおすすめ
日焼け止めは基本2時間間隔で塗りなおしが必要とされています。
その理由の一つ目が、皮脂や汗で流れ落ちてしまうことです。
でも、登山の途中で塗りなおすのってめんどくさいし、気が散ります。
鏡も無いからムラも気になりますよね。
まして、何人かでの登山なら気を使っちゃうことうけあいです。
ですから、出来るだけ落ちづらいものを選びたいですよね?
では落ちづらい日焼け止めとはどんなものなのか?というと
・ベース基剤の種類がオイルより
・界面活性剤の配合量が少ないか無い
・化粧崩れ防止成分の配合がある
です。
これらの条件が総合して日焼け止めの落ちづらさがきまります。
ちなみに、良く言うウォータープルーフ自体に明確な定義も一定の条件も無いため、真に落ちづらい日焼け止めを見抜くには、これらの条件がどうなっているのか?全成分表示をみる必要があります。
めんどくさいですよね?
安心してください、条件にそうものを後述でご紹介いたしますが、その根拠を示すため簡単に根拠を解説いたします。
ベース基材は水っぽい成分が少ないほど落ちづらい日焼け止め!登山向けにはオイルベースがおすすめ!
化粧品成分を分けるときの大きな指標が、水っぽいか油っぽいかです。
簡略的に解説をすると、
一粒が小さく(H2Oなど)電気的な力の偏りがあるため引き合うものが水っぽい。
一粒が大きく(C18H34O2など)電気的な力の偏りが無いためお互いの影響を受けないものが油っぽい。
と考えると分りやすいです。
そして、水っぽいものは水っぽいものと、油っぽいものは油っぽいものと引き合います。
もう一つ大切なのは、水っぽいものと油っぽいものが相容れないどころか弾きあう事です。
この特製をふまえて、日焼け止めの落ちやすさを考えてみましょう。
日焼け止めを塗る相手、お肌は油っぽい成分で出来ています。
ですから、油っぽい化粧成分はお肌と引き合い馴染みます。
その逆、水っぽい化粧成分はお肌と弾きあい馴染むどころじゃありません。
その証拠に、健康なお肌に水滴が落ちると、粒を立てて流れ落ちますよね?
油よりの成分でできているお肌の成分が充実している証拠です。
なので、日焼け止めの成分は油っぽいほど良く馴染んで、お肌の張り付きが良くなります。
その上、油っぽい日焼け止めは、お水っぽいを弾きます。つまり、日焼け止め落ちの要因、雨や汗を受けても落ちづらいといえます。
そのため、日焼け止めの落ちやすさでは、どのくらい油っぽいか?が大切なのです。
では、油っぽさを見極めるポイントは?というと、テクスチャーが一番分りやすいです。
粘土っぽければ油より、シャバシャバなら水よりです。
テクスチャーじゃなきゃ分らないの?という方!
実は、全成分表示の水の位置でもある程度予測がつきます。
全成分表示は配合量順に記載するルールがあるため、お水の記載順位によって、ある程度水っぽさの想定ができます。
水が3位以降くらいが落ちずらい日焼け止めの目安の第一歩になると思います。
ただ、水の配合は使いやすさや低刺激性と無関係ではありません。
だからこそ、多くの日焼け止めに『水』の配合があるわけですからね?
まったく水っぽさのないものを選ぶことは落ちづらさと引き換えに刺激のリスクもあることを覚えておきましょう。
水っぽさを上手に選ぶことが落ちにくい登山用日焼け止めゲットの一歩目です。
界面活性剤は水と油を混ぜ合わす!配合が少ないほど落ちづらい日焼け止めとなり拠り登山向けとなる!
界面活性剤とは、性質の違いのある2つの成分の界面(境目)に作用して様々な変化を起こす成分の総称です。
たとえば、、、
本来弾きあう水と油。
界面活性剤はその界面で、お互いを引き合わせることで洗浄、乳化(油を水に混ぜる)、分散(油などのお水の中で偏りがちな成分を散らす)などをおこします。
他にも、本来相容れない水と空気。界面活性剤はその界面で、水の結束を弱めて空気と混ぜ合わし『泡立ち』を起こします。
こうして、本来起きない界面での現象を引き起こすのが界面活性剤です。
日焼け止めの場合はどうかというと、配合されるのは界面活性剤のうち、無刺激なノニオン界面活性剤と呼ばれる安全性のとても高い成分で
主に
・油性成分と、水性成分を混ぜ合わせ、低刺激性、皮膜性、使い勝手、テクスチャーを改良するためのる乳化
・化粧品全体での成分のムラを防ぐ分散
・日焼け止めを落とすとき、落ちやすくする洗浄の補助
が目的で配合されます。
ですから、本来、ノニオン界面活性剤は
テクスチャーや塗りやすさ
皮膜の調整
洗浄時の低刺激性
紫外線防止剤の沈殿を防ぐムラ消し効果
などが望めるために、日焼け止めには絶対に入っていて欲しい成分です。
ところが、ノニオン界面活性剤の配合は、日焼け止め全体が水に弱くなり、雨や汗によって落ちやすくなってしまいます。
そのため、低刺激性をもとめて多少の配合は良しとしても、落ちづらい火やけどめを求めるときには大量配合は避けたいところです。
では、ノニオン界面活性剤を避けるためにどのような注意が必要かというと、やはり、全成分表示での確認が基本です。
ただし、日焼け止めに使われるノニオン界面活性剤はたくさんの種類があります。
ステアリン酸グリセリル
ステアリン酸ソルビタン
ベヘン酸グリセリル
などなどじつにさまざま。
名前で見抜くのは難しいです。
なので、界面活性剤の配合については後ほど少ないものを抜粋してご紹介します。
ただし、一番簡単な判別方法が1つあります。
フリフリしてから使う2層式日焼け止めです。
これらのタイプの日焼け止めは基本的にノニオン界面活性剤を使用している可能性はきわめて低く、強力な皮膜が期待できます。
そもそもカチャカチャ振ってから使う理由が、中身の成分が乳化分散されておらず、水性成分と油性成分、粉末系の成分が2層に分かれて混ざっていないからです。
混ざっていない原因はノニオン界面活性剤が配合されていないため!だから振ってもらわなきゃムラになる!というわけですね。
なので究極に徹底的に落ちづらい日焼け止めを求める場合
2層式の日焼け止め
をおすすめします。
化粧崩れ防止成分の配合があればなおのこと日焼け止めは落ちづらいから登山向きになる!
化粧崩れ防止成分が配合されていればなおの事
落ちづらい日焼け止め
となります。
そもそも、化粧下地と日焼け止めは構成成分が似ています。
どっちも、『落ちづらさ』が鍵だからです。
日焼け止めでも、化粧した時でも化粧崩れ防止成分は共通です。
化粧崩れ防止成分にはいくつかの種類があります。
1、水にも油にも強いフッ素変性シリコーンの配合
・パーフルオロオクチルトリエトキシシランなど
※~フルオロ~を含む成分
2、化粧落ちの大きな原因、皮脂を固める成分
・酸化亜鉛
3、撥水性のシリコーン皮膜を形成する
・トリメチルシロキシケイ酸
などです。
これらの配合があれば、日焼け止めの落ちづらさの期待値が高まります。
一応、注意が必要なのは、
『酸化亜鉛』
です。
気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、酸化亜鉛はそもそも紫外線散乱剤であるため、多くの日焼け止めに配合があります。
なので日焼け止めに求めるのは容易いです。
ただし、酸化チタンの皮脂を固める効果は、酸化チタンにコーティング処理がどの程度されているか?などが鍵となっているうえに、それを見抜くのは難しいとされています。
なので、日焼け止めへの配合の場合、落ちづらさに関与している!と期待するのは早計かもしれません。
さらに、注目の化粧崩れ防止成分『フッ素編成シリコーン』の配合は今のトコ日焼け止めには見られません。
ですから現実的には、トリメチルシロキシケイ酸の配合の有り無しに注目するべきと考えましょう。
落ちづらい登山向け日焼け止めの成分!まとめ!
落ちづらい日焼け止めの選び方は
1、油ベースのものを選ぶ、全成分表示の水の位置が少なくとも3位以降にあること
2、ノニオン界面活性剤が少ないものを選ぶ、究極はカチャカチャふる2層式のものを選ぶ
3、~フルオロ、トリメチルシロキシケイ酸が配合されているものを選ぶ、酸化亜鉛は期待程度
です。
ただし、落ちづらさは、思わぬ刺激の引き金になる心配があります。
たとえば、洗顔時の落としやすさです。
強い洗浄成分が必要になるため、洗いすぎやそれに伴う刺激が心配されます。
落ちづらい日焼け止めは、あくまで、強力な紫外線をうける山登りの一時的な使用に留め、普段使いでは避けたほうが無難です。
また、究極の落ちづらさまで求めず、汗をぬぐわず抑えるように拭く、ヘアバンドで汗を抑えるなど工夫することも重要です。
落ちづらさは、究極まで求めない!あくまで落ちづらいに留めるのも正解といえます。
では次に落ちづらさよりも大切な紫外線防止剤の劣化についての解説です。
紫外線防止機能の劣化の心配が少ない『紫外線散乱剤』を主力に使った登山向け日焼け止めを選ぶ!
日焼け止めの塗り直しが必要な理由2つ目が、紫外線防止剤の機能低下です。
紫外線防止剤には種類が2つあります。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤です。
このうち、紫外線吸収剤は経過とともに機能が低下するといわれています。
化学変化を利用して紫外線を熱エネルギーへと促し肌へのダメージを抑える紫外線吸収剤は紫外線を浴びる毎に防止機能が低下してしまう心配があります。
これに対し、機能の低下の心配が少ないのが、紫外線散乱剤です。
紫外線散乱剤は、化学反応ではなく、物理的に紫外線を弾き返すため劣化などの変化を生むことなくお肌を守るために、機能低下の心配がほぼないのです。
また、変化が無い事は低刺激にもつながります。
このため、紫外線吸収剤より、紫外線散乱剤が推奨されがちです。
必ずしも単純に紫外線吸収剤より、紫外線散乱剤が優秀というのは間違っていて、目的によっては紫外線吸収剤も必要だと私は考えます。
ただし、塗りなおしが難しい登山において、機能低下の心配が少ない紫外線散乱剤の配合はとても重要です。
現在使用される紫外線散乱剤は
酸化亜鉛
酸化チタン
です。
これらの成分の配合が鍵で、ここでも全成分表示の記載順が重要です。
前述のように、全成分表示では配合量順に記載があります。
つまり、酸化亜鉛、酸化チタンの記載順位の上位にあれば、その日焼け止めは機能低下の心配が低いといえ、逆に、紫外線吸収剤の記載が上位にあれば、いくらSPF、PAが高い日焼け止めでも機能低下の心配が高い日焼け止め、2時間おきの塗り直しが必要となってしまうわけです。
登山用の日焼け止めは、酸化亜鉛、酸化チタンの配合が上位のものを選びましょう。
※酸化亜鉛は金属アレルギーの心配があるために注意が必要です。
登山向け日焼け止めに必要な機能まとめ
ここまでが登山用の日焼け止めの選び方の基本です。
まとめると
山登り用にふさわしい日焼け止めの基本まとめ
1、SPF、PAの選び方
標高1000mクラスまでならSPF30PA++程度で十分
標高1000mを超えるクラスからは、最高ランクのSPF50+PA++++
2、皮脂や汗、雨でも落ちにくい日焼け止めを選ぶために
全成分表示のお水の記載は4位以降
界面活性剤の配合は少ないものを選ぶ
トリメチルシロキシケイ酸配合が好ましい
3、機能低下の少ない日焼け止めを選ぶために
酸化亜鉛、酸化チタンが全成分表示で上位表示
です。
とにかく紫外線に強いおススメの高山対応の登山向け日焼け止めはこれ!
ノンケミカルかつ低刺激で気軽に使える!低標高の登山向き日焼け止め!SPF30 PA+++
雨や汗、皮脂に強いから落ちづらく、劣化も静らいので塗りなおしの回数を減らせる!登山を楽しみたい方向けの日焼け止めはこれ!
わがままなニーズに応える!特別な登山向け日焼け止めが欲しい!
ここまでは万人に向けた登山用日焼け止めの選び方でした。
ここからは、応用編、特別なニーズにこたえる登山用日焼け止めの選び方です。
登山は年に数回。
日常使いなら、低刺激が望ましいですが、登山はとにかく強力な紫外線のダメージを抑えることがポイントです。たった1度の洗顔の刺激などと比べるまでも無いからです。
だからこそ、もっとこだわりたい!という方必見。
絶対焼きたくない!紫外線ダメージもいや!
1回塗りで済む日焼け止めが欲しい!
環境に優しいエコにこだわりたい!
虫除け機能も欲しい!
そんなニーズにこだわった日焼け止めの選び方を1つづつ紹介いたします。
絶対焼きたくない!紫外線ダメージもいや!に応える登山向け日焼け止めの選び方
絶対焼きたくないなら、SPF値が高いものを選んだ上で、もう1つチェックすべきことがあります。
1、紫外線防止剤に「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の両方が配合されていること。
2、紫外線防止剤それぞれの得意な紫外線を見据えて、バランス良くブレンドされたものを選ぶこと。
の2つです。
絶対焼かないならば紫外線防止剤には吸収剤と散乱剤の両方がブレンドされている登山向け日焼け止めを選ぼう!
先述のように、紫外線防止剤は
紫外線吸収剤
と、
紫外線散乱剤
の2つの種類に分けられます。
紫外線吸収剤とは、紫外線を吸収して化学反応を引き起こし、その構造を変化させて、紫外線をカット。そのうえに、熱エネルギーを放出してもとの構造状態に戻り、再び紫外線を吸収するというサイクルを持つ紫外線防止剤のことです。
散乱剤に比べ、安定して高い紫外線防止効果が期待できる分、刺激となるリスクが微かに高く、紫外線をうけるにつれ劣化するために2時間おきに塗り足す必要がある特徴があります。
対して、紫外線散乱剤は高い光の屈折率を持っているがために、やってきた紫外線を曲げて反射することで紫外線を防止します。
吸収剤とくらべると、化学反応を起こして紫外線をカットするわけではないので、防止するに際して、刺激となるリスクはほとんど無く、時間経過による劣化の心配もほとんどないです。
その反面、もちまえの高い反射性能による白浮きと、成分が集中して偏って塗布されてしまうと紫外線防止機能が低下してしまう心配があり、安定性に欠けます。
また、散乱剤のうち酸化亜鉛には、お肌の皮脂を固める効果があるため、皮脂落ちを防ぐ効果も期待できます。
吸収剤と散乱剤、一長一短がある上に紫外線防止方法がまったく違いますよね?
このため、
絶対焼かない!!!
ならば、両方がブレンドされた日焼け止めを選び、2時間おきに塗り直すことをお勧めします。お互いの短所を補い、相乗効果が期待できるため、高い紫外線防止機能が得られるとされているためです。
紫外線防止剤にはそれぞれ、紫外線の種類によって「得手」「不得手」がある!バランス良く配合された登山向け日焼け止めを選ぼう。
紫外線は、さらに
紫外線の中でも波長の短いA波(UVA):お肌の内部に届いてシワ・たるみなどの原因となるダメージを引き起こす心配がある
と
紫外線の中でも波長の長いB波(UVB):日焼けを引き起こすにとどまるとされる
にわけられます。
そして、紫外線防止剤には、紫外線の種類によって、防止の得手不得手があります。
ですから、日焼け止めの紫外線カット能力を最大限に引き出すには、紫外線防止剤それぞれの得手不得手をふまえて、バランス良くブレンドされている必要があるのです。
現在日焼け止めによく使われている紫外線防止剤とそれぞれの得意な紫外線タイプは次のとおり!
紫外線吸収剤
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸へキシル:A波
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン):A波
メトキシケイヒ酸エチルへキシル:B波
紫外線散乱剤
酸化亜鉛:A波
酸化チタン:B波
絶対焼きたくない人は、紫外線A波とB波それぞれをカットできる紫外線防止剤がブレンドされた日焼け止めを選びましょう。
絶対焼きたくない!まとめ。
SPA50+PA++++で、吸収剤と散乱剤がダブルブレンドされていて、A波B波どちらにも対応できる登山向け日焼け止めを選ぼう!
まず、散乱剤の酸化チタン、酸化亜鉛の両方が選ばれていること。
さらに吸収剤でA波が得意なもの、B波が得意なもの、それぞれが複数種以上配合されていること。
その上でSPF50+
PA++++
のものを選びましょう。
そして、吸収剤の劣化の弱点を補うために2時間おきの塗りなおしをおすすめします!
ここで改めて念を押したいのは、
あくまで年に数回の登山で絶対!ぜっっったい!焼きたくない人。紫外線ダメージは絶対防ぎたい人!のための登山用日焼け止めの選び方です。
日常使いでここまでの日焼け止めは必要ありませんし、かえって洗浄時の刺激や皮脂詰まりなどの心配が深まります。
誤解の無いようにお願いします!
吸収剤も散乱剤も入っているからとにかく強力!とりあえずこれを2時間おきに塗っておけばかなり安心!
二度塗りは嫌っ!1度きりで1日もつ登山向け日焼け止めが欲しい!
登山中に紫外線を気にして、日焼け止めを塗りなおすなんて、かなりナンセンスですよね?
でも、登山での紫外線のダメージはしっかり形になって現れます。
出来れば、紫外線のことなんて忘れて安心して登山を楽しみたい!
そんな日焼け止めがあれば、登山者は大喜びですよね!
そんな日焼け止めがあるのか?解説していきます!
そもそも日焼け止めは、2時間おきに塗りなおすことが推奨される理由は、
1、汗や皮脂、お水などによって日焼け止めそのものが流れ落ちてしまうこと。
2、紫外線吸収剤の劣化による紫外線カット機能の低下
があるからです。
つまり、
流れ落ちなくて、紫外線カット機能が低下しない日焼け止めならば
1度塗りで登山を始めて下山するまで塗りなおしの必要の無い日焼け止めであるといえるわけです。では、究極に
流れ落ちない
紫外線カット機能が低下しない
日焼け止めとはどんなものでしょうか?
どちらも、根拠は先述済みです。
検証してみましょう!
究極に落ちない登山向け日焼け止め!を想定してみる
日焼け止めの落ちなさは
1、日焼け止めの水っぽさ
2、ノニオン界面活性剤の量
3、化粧崩れ防止剤の配合
で決まります。
ならば、究極に落ちづらい登山向け日焼け止めは
1、油性成分のみで出来ている
2、界面活性剤不使用(2層式日焼け止めが候補)
3、フッ素変性シリコーン、トリメチルシロキシケイ酸の配合がある
といった感じです。
この条件では、かなり使い勝手が悪く、すさまじい皮膜が想像されますが、落ちない日焼け止めの条件は作れそうです。
究極に紫外線カット能力が低下しない登山向け日焼け止めを想定してみる
紫外線カット機能が低下するのは、紫外線防止剤のうちの紫外線吸収剤です。
一方の紫外線散乱剤は低下の心配はほぼありません。
ですから、究極に紫外線カット機能が低下しない日焼け止めは、紫外線散乱剤のみ使用でSPF50+、PA++++の最高クラスの紫外線防止評価を持っているものといえます。
紫外線散乱剤のみとしたのは、紫外線吸収剤が配合されてしまっている場合、いくら、SPF50+PA+++でも、劣化によって実際のSPF、PAの表示を下回ってしまう心配があるためです。ですから、念のため一切入っていないものを選ぶべきです。
1度きりでOK!2度塗り不要が期待できる登山向け日焼け止めまとめ
ここまでの想定で、1度塗りでOK!かどうかはともかく、塗りなおす回数が少なくて済みそうな登山向け日焼け止めの想定は出来ました!
ここでもう一度まとめておきましょう。
1、油性成分のみで出来ている
2、界面活性剤不使用(2層式日焼け止めが候補)
3、フッ素変性シリコーン、トリメチルシロキシケイ酸の配合がある
4、紫外線散乱剤のみ(酸化チタンと酸化亜鉛の両方配合)の配合でSPF50+,PA++++
ここまで、条件がそろう日焼け止めがあるかどうかさがせば良い訳です。
1が特に絶望的ですが、近しい条件ならばありそうですよね!
塗りなおしの必要が少ない!2度塗り不要の期待に迫る登山向け日焼け止め!
自然に優しいエコタイプの登山向け日焼け止めが欲しいのなら紫外線吸収剤不使用のものを選びたい!
紫外線吸収剤のうち、『オキシベンゾン』と『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』が、サンゴ礁の死滅に無関係で無い事がアメリカの研究機関で報告がありました。
具体的には『オキシベンゾン』と『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』がサンゴと共生する
褐虫藻
と呼ばれる色とりどりの藻を消失させ、これによりサンゴは白化し、褐虫藻が光合成の副産物によってサンゴに与えていた栄養素が少なくなり、最終的に栄養素を使い切ったサンゴは死に追いやられるということが明らかになったのです。
これを受けて、ハワイでは、2021年4月1日から、これらの紫外線吸収剤を含んだ日焼け止め防止剤の販売を禁止することが決まりました。
現時点では販売の禁止に留まりますが、今後、『オキシベンゾン』と『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』の使用縮小は明らかです。
今回の報告は日焼け止めのエコ化の小さな一歩目といえ、今後の指針の一つとなっていくでしょう。
小さな一歩目といったのは、あくまで、『オキシベンゾン』と『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』がサンゴ礁の死へ影響を与える事が明らかになっただけだからです。
つまり、今回の件でノンケミカル(化学反応無しで紫外線をカットする)である紫外線散乱剤が自然環境に優しいかというと、それが検証されたわけではない!というわけです。
紫外線吸収剤=サンゴの死に影響=紫外線散乱剤=環境に優しいというわけではないということですね!
今後、紫外線散乱剤が自然環境に与える変化なども報告されるかもしれません。
私たちは、研究報告を一つ一つ正確に受け止め、冷静に選択する必要があります。
現状は、『オキシベンゾン』と『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』を避けることが環境に優しいエコノミストといえます。
行き先は山ですけどねw?『オキシベンゾン』と『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』を避けることが業界全体のエコへの意識促進へつながり、次の研究への躍進につながりますから、山でも意味はあります!
紫外線吸収剤不使用の登山向き日焼け止め!
登山用日焼け止めまとめ!
登山用日焼け止めに特別に必要な機能は
・高い標高の強い紫外線に対抗する高いSPF,PA値
・水や皮脂に強く落ちづらい長時間持続機能
・劣化しづらい紫外線防止機能
です。
ただし、ひと口に登山用日焼け止めといっても、細かいニーズはひとりひとりさまざまですよね?
絶対焼きたくないから、何度だって塗りなおす!とにかく強力なもの!
いや、塗りなおししないでも良くって、気にせず山を100パーセント楽しめるのなら、多少の日焼けやダメージは仕方ない!
登山大好き!自然を愛したい!とにかくエコに目を向けたい!
片手でチャチャット使える、使い勝手のよいスティックタイプやスプレータイプがよい!
それもそうだけど、敏感肌だから日焼け止めの刺激が低いものが最低条件なの。
などなど、細かい要望を掛け合わせれば、登山用日焼け止めに求めるニーズは登山家の数だけある!といっても過言ではありません。
まず、自分がどうしたいのか?どんなものが欲しいのか?
をしっかり把握しましょう。
そのために、どんな登山用日焼け止めが選べるのか?について本記事がお役に立てたら幸いです。